季節の旅(八月)
霧の朝、最北の街・稚内から最北の島・礼文島に渡った。
島への旅は私と同じような年代のツアー客であふれている。
海霧につつまれることの多い気候が、花の島といわれる自然環境をつくりだしている。
香深港近くに津軽町という集落がある。
かつて青森から移住した人たちが住む地域で津軽弁が標準語というのも面白い事実だ。
島を後に稚内から宗谷岬。霧笛の鳴り響く日本最北端の地から今回の旅の目的、北海道海岸線周回を続けた。
オホーツク海を左に、枝幸、紋別そして網走。斜里から知床峠から羅臼。知床岬方面の端っこが相泊。
ここの無人温泉は海からの飛沫も浴びられる。その先は道も行き止まり、ヒグマの世界なのだろう。
標津にまわって太平洋、根室から納沙布岬。
根室からは、ぎりぎり海沿いルート「北太平洋シーサイドライン」にルートを設定。
この道は、青い海と白い波、断崖と緑の草原、そして、緑濃き深い森が交互に現れて楽しい。
アップダウンと急カーブが連続してドライブの楽しみも味わわせてもくれる。
そして、霧多布岬に到着。滅多に晴れることのない、「霧たっぷり岬」と言われているとか。
雲一つ無い海の限りなく青い青い海に緑に染まった断崖の風景は素晴らしい。
駐車場の売店も3軒中、1軒しか開いていないが、「みんな止めてしまって・・・」
かなり年配の店主が、問わず語りに「街にいてもつまらんし、滅多にないこんないい天気の日もあるんだ」
「いい景色だべ!」と、わがことのように顔をほころばせた。
原生花園などの花々に恵まれた旅も、釧路から襟裳岬。霧に隠れた襟裳岬歌のように何もなく、
静内、苫小牧、登別、長万部そして函館。
日本海、オホーツク海、太平洋を眺めつつ海岸線を廻る17日間の旅は終わりました。

帝産ファーム株式会社 ニュースレター「瓦ばんっ!」 第16号 平成19年8月10日 掲載