季節の旅(七月)

 初夏の風さわやかな六月から七月、北国では旅には最適の季節だ。

 たまには遠くへ旅に出よう、うっとうしい梅雨真っ盛りの南への旅の時期ではない。
 やはり北を目指して爽やかな季節を満喫し、新緑と花盛りの風景を楽しみたい。
 ならば、北海道、それも今回はぐるりと海岸線を一周することにした。
 今回は、その第一段としてサロベツ原生花園までの旅をご紹介しよう。

 函館から苫小牧までは淡々と距離を稼いでの旅であったが、それでも市街地を抜けると深い森が北海道という奥行きのある自然を感じさせる。
 支笏湖畔のキャンプ場で友人と待ち合わせし、まずは温泉にと彼の車ででかけた。
 支笏湖では丸駒温泉が有名だが、オフロードを進んだ、その奥にひっそりとたたずむ「いとう温泉」が彼のお薦めだ。
 内風呂は難の変哲もない浴室なのだが、いったん外に出て湖畔の露天風呂が素晴らしい。
 ゆるりと身体にまとわりつく泉質もいいのだが、目前に広がる支笏湖の風景、湖の水面と一体になったような露 天風呂のつくりが素晴らしい。
 岩風呂の縁の先がすぐに湖面にしばし時を忘れて体と心を癒したのだった。

そして、フクロウの鳴く湖畔の森でのキャンプは、焚き火の炎とバーボンのふくよかな香り、炭火で焼いた、アスパラの甘さ、タラバガニのほっくりとした旨さも忘れることはできない。
 そんな夜は過ぎ去った人生を語り合いつつ、じっくりと旧交をあたためることができたのです。
 札幌から日本海側に出て、石狩、増毛、留萌、苫前、羽幌、遠別、日本海の静かな海と山の緑、どちらかというと荒涼とした風景が人の営みの厳しさを感じさせる。
 手塩あたりから始まるサロベツの原野は、広がる湿原の広大さに水と野草の花々、鳥たちのさえずりがこれからの旅の素晴らしさを告げてくれるようでした。




帝産ファーム株式会社 ニュースレター「瓦ばんっ!」 第15号 平成19年7月10日 掲載