季節の旅(五月)
みちのくにも遅い春がやっときて、花盛りのこの季節も日々刻々と変化する気象に振り回される。
春模様の温かい陽気の翌日には、空から突然雪が舞いだしたりするのも北国だ。
そんな季節の移ろいを肌で感ずるのも一興と、桜の花を追う旅に出た。
調べてみると「みちのく三大桜名所」弘前公園「弘前城跡」(青森県)、角館「桧木内川堤」
「武家屋敷通り枝垂れ桜」(秋田県)、北上「展勝地公園(北上河畔)」(岩手県)と呼ばれている
東北の桜名所があることを知った。
まずは、最初の目的地、北上川河畔の「北上展勝地さくらまつり」に到着する。
残念ながら小雨そぼ降る天候だが、2kmを超える河畔の遊歩道に1万本以上の桜がちょうど満開で
大半が太い幹周りの古木であるのも風情がある。
北上川に掛かる鯉のぼりや、渡し船での花見もあったり、
我が青春の歌「北上夜曲」の碑なども懐かしい思い出を誘う。
盛岡市内で有名な「石割桜」も急ぎ観賞し雫石へ、雫石から早朝の角館に入る。
満開にはすこし早かったが、地元の方が満面の笑みで「やっと咲きました、
お出でいただいた方にお喜びいただければうれしいです」こう言われてしまうと、
駐車料金500円も安く感じてしまう。武家屋敷の佇まいに枝垂れ桜はよく似合う。
桧木内川河畔の桜は五分咲きであったが角館の風情を清々しく彩っていた。
秋田から雪の残る山道を越えて青森に戻る。
最後の弘前は満開にちょっと間がある様子でいったん帰宅し、四日後に満開に合わせて出直した。
天気にも恵まれた弘前公園(史跡弘前城)は、
見事な桜の競演が天守閣などの舞台装置と相まって「日本一の桜」といって過言ではないだろう。
「みちのく三大桜名所」確かに価値ある桜の名所でした。
そしてまた、日本人の心に咲く桜のひとひらの重さと美しさを感じることのできた旅でもありました。

帝産ファーム株式会社 ニュースレター「瓦ばんっ!」 第13号 平成19年5月10日 掲載