季節の旅(一月)
年が明けて新年、平成も二十年となった。
青森に住んで十年目、雪の正月もごく普通のことになっている。
雪の中の初詣もあたりまえのこととして、「二礼二拍手一礼」
祈る前に住所氏名を名乗ることも必要なこととして学んだ。
確かに神様もどこの誰だかわからなくては希望を叶えることもままなるまい。
例年は暮れに忘年会として行っていた温泉一泊旅行だが、
昨年暮れは歯科治療などでスケジュールがとれずに新年に回すことにしたのだ。
一月七日に近場の浅虫温泉を予約して、幸い雪の降らない昼前に車で出発。
三十分そこそこで浅虫温泉に到着する。この距離感覚が首都圏に住んでいたときとまるで異なるのがうれしい。
まずは昼飯、お目当ての「鶴亀食堂」に入る、この店のマグロ丼が評判なのだ。
注文してしばし、運ばれたマグロ丼はびっくりもの!分厚く大きいマグロの刺身が山盛りである。
小皿に五、六切れを移してもまだご飯が見えない!
なんとか食べきって「満足!」いやはや聞きしにまさるボリュームでした。
暇つぶしに陸奥湾沿いを下北方面に向かってドライブ。「道の駅よこはま」まで行ってお土産を求めてからUターンする。
たそかれ時に割烹旅館「さつき」の客となる。
ここ数年、浅虫温泉ではこの宿と決めたのもあたたかいもてなしと料理のうまさ。
もちろん小振りだが源泉掛け流しの湯も身体と心を温めてくれる。
期待の夕食の膳は、雲丹から始まって海の幸づくし、それも陸奥湾産鮮度抜群の食材が中心である。
ほどよい酒の燗がまた食味を冴えさせつつほろほろと酔いを呼ぶ。
いつしか降り出した雪が一夜の極楽に花を添えて、「いい人生だねえ」と語らせてくれたのでした。
湯の宿や 雲丹蟹鮪雪の花 百合虎
