季節の風−睦月−
冬の鷺歩むに光りしたがへり 加藤楸邨
冬の河原は簡潔極まりない場所。そこにあるのは水流と大小いくつかの岩石。
対岸に崖が切り立っていることもある。
今、水にたたずむ白鷺。一歩、歩を移すごとにその白い光もあとを追う。
水と風に磨かれた景のなか、静かに動く光。
(「四季のうた」第二集 長谷川櫂 中公新書)
雪のない正月の青森に違和感を覚えながらも、
「いつかは必ず降る」という宿命的な確信があるところが関東などとの違いだろう。
枯れた芦の河原の先に水量の減った川が流れ、
その岸辺を白鷺やゴイサギが餌をついばみながらたたずむ冬景色。
寒いけれども静かなときの流れに安らぐ昼下がりの風景も日本の冬景色だ。
北国、青森の冬には珍しく雪の消えた正月の野辺を歩けば、
遊水池に飛来した白鳥の群れに出会う。
まだ白くなりきれぬ幼鳥も交えて家族ごとに呼び交わし、
羽を休めて冬を過ごす姿が平和のあり方を考えさせるのではないだろうか。
国境など無い白鳥の世界、季節の流れに合わせて生きる姿に
定住を余儀なくされた人間の悲しさを見ることはないだろうか。
冬枯れに白鳥しろく自由なり 百合虎

帝産ファーム株式会社 ニュースレター「瓦ばんっ!」 第9号 平成19年1月10日 掲載